最近は、天然成分100％のオーガニックコスメが増えてきました。

ただ、そういったオーガニックコスメも、じつは合成成分がたっぷりと使われているということをご存知でしょうか？

近年、化粧品業界では植物を原料にした化学合成成分が使われるようになってきました。

植物原料に自然界ではありえない高温や高圧をかけたり、化学薬剤を使うことで化学操作をし、本来の成分の分子式をほどいてバラバラの分子にし、新たに自然界に存在しない合成成分を作っているのです。

植物原料の成分なら安心・安全？

植物から作られた合成成分は、消費者は「肌や環境にやさしい」と考えがちです。

しかし、植物原料でも石油原料でも、できあがった合成成分は同じ性質や働きを持っています。

つまり、肌に対する有害性にも差がありません。

例えば、植物原料の合成成分の「セタノール」や「セテアリルアルコール」は旧表示指定成分です。

旧表示指定成分とは、日本の旧厚生省がアレルギー性があるとして表示義務を定めた、特に毒性の強い成分です。

ただ単に「植物成分」だからといって、「安心・安全」というわけではないのです。

植物原料の合成成分にはどんなものがあるの？

化粧品に多く使われている植物原料の合成成分は、
・プロパンジオール
・ペンチレングリコール
・BG
・α-グルカンオリゴサッカリド
・ラウリン酸ポリグリセリル‐１０
・ラウリン酸スクロース
・トリ（カプリル酸/カプリン酸）グリセリル
などがあります。
（他にも、もっと多くの成分が存在します）

「天然100％」を掲げているオーガニックコスメの成分表示をよく見てみると、これらの成分がたくさん使われていることがよくわかります。

本当に消費者のことを考えたら、化粧品メーカーは、植物原料であっても化学合成された自然界にない成分を使用するべきではありません。

選ぶべきオーガニックコスメとは？

オーガニックコスメに配合されている植物エキスは、肌に潤いを与えたり、キメを整えたり、炎症を抑えたりといった、肌本来の機能を整えてくれる大変有益なものです。

しかし、植物エキスには「合成成分と一緒に配合されると、本来の力が失われてしまう」という性質があります。

せっかく植物エキスが配合されていても、もし一緒に合成成分が配合されていれば、その植物が持つ本来の力を発揮することはできません。

本当にオーガニックコスメの効果を実感したいのなら、合成成分が一切使用されていない化粧品を選ぶ必要があります。

消費者である私たちは、「天然成分100％」だけではなく、「植物原料であっても、化学合成された成分は一切使用していません」と明記している化粧品を選ぶよう心がけましょう。

（JOCA認定オーガニックコスメアドバイザー　菊地翼）