肌がきれいな人が、石けんを使う理由
最近は、肌への優しさや美容効果などから、石けんが見直されてきています。
そもそもなぜ、石けんは肌に優しいのでしょうか?
それは、「分解しやすい」という性質のためです。
石けんは皮膚に接したとき、汚れていたりミネラルがあったり、pHが変わったりすると、簡単に分解してしまいます。
そして分解すると、石けんは一瞬にして界面活性作用を失います。
そのため、肌の上の汚れのみを落とし、大切な肌バリアを壊したり、肌に必要な常在菌を死滅させるようなことはありません。
一方、一般的な洗顔料に使われている合成界面活性剤は、簡単には分解されず、タンパク質とくっつき変性させる作用があるため、肌細胞を溶かし、大切な肌バリアを壊し、肌に必要な常在菌も死滅させてしまいます。
その結果、乾燥肌や敏感肌へとおちいり、いくら保湿しても潤いを閉じ込めることができない肌になってしまうのです。
石けんというだけでは安全ではない
もともと石けんは、自然の中で偶発的に生まれました。
発見された5000年前から、製造方法は今も基本的に同じです。動植物オイルにアルカリを加え、加熱するとできます。
人の肌にとって害がないことは、5000年の歴史が実証しています。
ところが、残念ながら「石けん=安全」というわけではありません。
市販の石けんの中には、合成香料、合成色素、合成防腐剤、合成界面活性剤などの添加物を大量に使ったものが少なくないからです。
石けんの全成分表示の中に、合成成分の表示がないか、きちんとチェックすることが大事です。
「弱酸性」の石けんは肌にいいの?
人間の肌が弱酸性であることから、「弱酸性なので肌にやさしい」という石けんもありますが、それは本当に肌によいものでしょうか?
弱酸性石けんのほとんどは、洗浄成分に合成界面活性剤が使われているので、しだいに乾燥肌・敏感肌になってしまうでしょう。
「弱酸性」であるか否か以前に、肌への毒性を持っている製品が多いのです。
安全性が確立されている昔ながらの「本物の石けん」は、弱アルカリ性です。
肌は、弱アルカリ性の石けんを使ったからといってすぐにアルカリ性に傾いて肌が荒れるといったことはありません。
石けんは、合成界面活性剤のように肌の奥に入ることはなく、表面の汚れや皮脂と結びついたとたん界面活性作用を失ってしまうため、肌は皮脂分泌作用によって本来の弱酸性へとすぐに戻るからです。
植物エキスが配合されていれば肌にいいの?
植物成分は、肌に潤いを与えたり、キメを整えたり、炎症を抑えたりといった、肌本来の機能を整えてくれる大変有益なものです。
しかし、石けんに植物エキスが配合されていても、もし一緒に合成成分が配合されていれば、その植物が持つ本来の力を発揮することはできません。
植物成分は、化学合成成分と一緒に配合されることで、本来の力が失われてしまう性質があります。
植物成分どうしの組み合わせによっては、相乗効果が発揮され、より高いスキンケア効果が生まれますが、化学合成成分の中に植物成分を混ぜ合わせても、植物の本来の効果は出ないのです。
石けんを選ぶ際は、植物エキスが配合されていて、かつ合成成分が配合されていない「本物の石けん」を選ぶよう心がけるといいですね。
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